第17回 簡単!ルール解説に挑戦(2)
 15条は2パターンしかない

Posted by mantaro on 2012年1月3日 under 未分類 | Comments are off for this article

前回は、航路権というのは、スターボ・下・クリアアヘッドの有名3ルールと、相手がタック中
(ジャイブ中)の場合の合計4つ、10条~13条だけである、と説明しました。
ルールの根本みたいな話ですが、意外と(私を含めて)みなさん意識していなかった事ではないかと。

こういうお話は、周りのアンパイアの方々から教えて頂く機会が増えて、学んだことです。
A級ジャッジ、インターナショナルジャッジ、インターナショナルアンパイアと勢揃いしている、
ルールの達人みたいな方々から教わった貴重な知識を、少しでも一般のみなさんにお伝えできれば
良いなぁと思っております。
 
さて今回は、航路権の制限、B節(14条~17条) 特に、15条について説明していきます。
 ・14条:接触の回避
 ・15条:航路権の取得
 ・16条:コース変更
 ・17条:同一タックでのプロパーコース
 

14条は解りやすいですね。
ヨットルールの基本の基本は、安全規則(衝突予防法)ですから
 「とにかく当てるな」
 「相手が悪いのは判っている。だから、衝突回避した上で抗議をしなさい」
 「もし損傷したら、あなたもペナルティですよ!」

15条も、そういう観点で考えると、当然のルールですね。
「タック」「スターボ!」「ゴツン!!」なんてのはダメってことです。
 ・航路権艇となる側は、「初めに、相手が避けられるルームを与える」
 ・非権利艇となる側は、「非権利艇となった瞬間から、出来るだけ避ける努力をする」
紳士のスポーツですからね。。。
 
 
紳士のスポーツではあるんですが、、、マッチレースのゲーム戦略としての側面を考えると、
「航路権をどう行使するか」「航路権の奪い合い」のような部分が重要となってきますので、
この15条を理解することは、絶対のキーポイントなんです。

「航路権の奪い合い」ですから、アンパイアも大変です。。。
非権利艇の動作を観察しながら、”出来るだけ”避ける努力をしていれば、
「Doing ALL I Can !」とコールして、航路権艇がそれ以上無理したら15条違反だぞ!と
チェックしています。
また、航路権を得ようとしている艇の動作を観察しながら、
「Tacking ・・・ Done! Starboard!」のようにコールして、”どの瞬間”に航路権を得たか、
チェックしています。
 
        ** 15条は、2パターンしかない? **

さてさて、、ここまでの説明であれば、一般の解説書とあまり変わりません。
 「理屈は解ったけど、、実践に結びつかない。。。」
 「具体的に、どんなシチュエーションで15条になるの??」
という感じで、ちっとも”簡単!解説”になっていません。

そこで、今回は15条を大胆に、ぶった切ります。

こういう事なんです。
つまり、非権利艇がタック(ジャイブ)しようとしたら、15条に注意!
非権利艇がオーバーラップ(ラップを切る)しそうなら、15条に注意!
※それ以外は、15条を考えなくて良い。 ←ここがポイント。

航路権の移り変わりなんて、非常に多数のシチュエーションが有るように思えますが、
実は、2パターンだけ考えれば良かったんです。

いかがでしょう?大胆ではないですかね??
私自身、この記事を書きながら、検証していて気が付きまして、
「大発見だ!」と思ったんですが、そうでもないですか。。。
 
 
以下は、この検証についての記録ですので、気になる方だけ見て頂ければ結構です。

そもそも、航路権は10条~13条の4つしか有りませんので、
航路権移行のパターンは、
   ・10条 非権利艇 → 10条 権利艇         ・11条 非権利艇 → 10条 権利艇
   ・10条 非権利艇 → 11条 権利艇         ・11条 非権利艇 → 11条 権利艇
   ・10条 非権利艇 → 12条 権利艇         ・11条 非権利艇 → 12条 権利艇
   ・10条 非権利艇 → 13条 権利艇         ・11条 非権利艇 → 13条 権利艇

   ・12条 非権利艇 → 10条 権利艇         ・13条 非権利艇 → 10条 権利艇
   ・12条 非権利艇 → 11条 権利艇         ・13条 非権利艇 → 11条 権利艇
   ・12条 非権利艇 → 12条 権利艇         ・13条 非権利艇 → 12条 権利艇
   ・12条 非権利艇 → 13条 権利艇         ・13条 非権利艇 → 13条 権利艇
の4×4 合計16パターンしかないんです。
そして、その全てを書き出してみると、下記の表の通り。




ね?2パターンしか残らないでしょ。

私はまだ、この15条の判定に非常に苦慮しています。
権利取得の瞬間、その瞬間からの両艇の位置・向き・動きを、判定しないといけないのですが、
まだ、その瞬間に集中できていないのです。
今のところは、両艇の動きを全体像としてボンヤリ捉えているだけなんですね。

たぶんそれは、この「2パターンしかない」という事に、気が付いていないからではないかと。。。
   「この2パターンしかない」 = 「この2パターンに集中すれば良い」

Wingアンパイアの「オーバーラップ」のコールも同様です。
   「この2パターンしかない」 = 「15条判定の半分はWingのオーバーラップコールが頼り」

このことを改めて考え直して、アンパイアの訓練に励みたいと、、お正月の目標にしてみるのです。。。
 
 
この映像は先日のクリスマスマッチ。
万太郎が15条判定に苦慮している証拠ビデオです。。。
同乗している、インターナショナルアンパイアの田中さんに、ビシビシ指導を頂いています。


 
 
 

 
 
 
 
 

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