第18回 簡単!ルール解説に挑戦(3)
 16条 KeepClearとGiveRoom

Posted by mantaro on 2012年1月22日 under 未分類 | Comments are off for this article

前回は、航路権艇への制限として15条(航路権の取得)について説明しました。
今回はもう1つの重要な、そして解りにくい制限、16条(コース変更)について書いてみましょう。

~16条~
「航路権艇がコースを変更する場合、相手艇に対して避けているためのルームを与えなければならない」

    『相手が避けているのに、わざわざ当てに行ってはダメですよ!』 
というルールですね。
典型的なシチュエーションとしては、エントリー直後のダイヤルアップ、
上りレグでのダイヤルダウン、ラフィングマッチなどで発生します。

安全規則、衝突予防法という観点から見れば、やっぱりコレも当然のことを言っています。
    『相手が避けているのに、わざわざ当てに行ってはダメですよ!』 

では、航路権艇はコース変更してはいけないの??
そんな事はありません。 コース変更OKです。
さらに、マッチレースでは規則16.2を削除して、後ろを通ろうと避けているポート艇に向けてハントしても良いと、ルール変更しているくらいです。
  「どういうこと? 良いの?悪いの??」
  「程度問題ってこと? じゃあ、どこまでなら攻めても良いの??」
  「ハッキリしてくれないと、レースできないよ!」
と、まぁ中堅どころの選手の多くが、こんな感じで悩みに陥ってしまいます。
マッチを本格的に考えれば考えるほど、攻撃を仕掛けようと思えば思うほど、この問題にぶつかります。
 
 
そこで、少し整理しましょう。
ルールブックの文章は、法律的というか難解な印象がありますね。
でも、左側のページに書かれている英文の方は、意外とシンプルな言葉なんですよ。


ざっくりまとめると、こんな感じです。
 ・非権利艇は “keep clear” しなさい。
 ・航路権艇は “give room ” しなさい。(非権利艇がkeep clearできるように)


・下艇はラフィングしても良い。
・上艇は “shall keep clear” です。
 だから、すぐに反応しないと間に合わない。
・下艇は、”shall give room” (to keep clear) を忘れてはいけません。

上艇が “keep clear” していないと思ったら、
下艇は、ラフィングを途中で止めて、「Avoid !!」とアピールしましょう。

「Hey! Hey!!」とか、「プロテスト !!」とか、言うことが多いんですが、
きっと、「Avoid !!」の方が説得力があります。
さらに舵を大袈裟に切って、避けてる演技も入れれば、なお良し。
決して当ててはいけませんょ。
当てたら、逆に「Didn’t give room」としてペナルティを取られる可能性が生まれます。
 
 
忘れてはいけないのは、非権利艇は、いつだって常に “shall keep clear” だという事。
  あなたが非権利艇で、もし “Not keeping clear” の状態になったら、
  「すぐに」、そして「精一杯」、避けて下さい。
15条だ16条だといっても、ルールは非権利艇のことを許しているわけではないのです。
航路権艇の権利行使を制限しているだけ。それしか書いてないのですから。

 
 
同じようなラフィングでも、1回目はセーフで、2回目はアウト、という事はよくあります。
  「同じ状況なのに、なぜ判定が異なるんだ?」
  「さっきのがセーフなら、今回もセーフだろ!!」
判定に納得がいかない、典型的な例です。


もう、解りますね?
2回目の状況になる時って、大概 “Not keeping clear” なんです。
さらに、それだけ時間があれば、”given enough room” だと言うわけで。。。

ダイヤルアップでは、ポート艇が先にアップし始めないといけません。
スターボ艇がアップしたバウ先に向かって、後からポート艇がアップして行くと、
わざわざ衝突コースに入っていった “Not keeping clear” だと判定されます。

ダイヤルダウンでは、航路権艇(上図 緑艇)は、風向に直角より風下までハントすると、
「そりゃやり過ぎだろ!」「didn’t give room だな」となって16条違反となります。

スピンのラフィングでは、上艇(上図 ピンク艇)がスピンを張れないほどラフするなら、
上艇がスピンを降ろす時間的余裕(room)も与えなければなりません。
やはり、やり過ぎると16条違反で、水色艇にペナルティとなります。
 
 
誤解してはいけませんよ。
「風向直角」も「スピンが張れない」も判定の”目安”というだけの事です。
結局のところ、「keep clear」だったか、「give enough room」したか、
それはアンパイアの判断に依ります。
「この風で、この艇で、このレベルの選手達なら、十分 keep clear できたハズだ」とかね。
それを理解した上で、目安を知っておくことが重要なのです。

 ・非権利艇は “keep clear” しなさい。
 ・航路権艇は “give room ” しなさい。(非権利艇がkeep clearできるように)
 
マッチレースは攻撃的にいかないと上手くなりません。
攻めようと考えて初めて、戦術やルールの理解に結びつくものなんです。
攻めを研究して初めて、守りが会得できるのです。
練習では、ガンガン攻めるべきです。

でも、本番ではリスクの高い攻撃は避ける方が良いでしょう。
 ・航路権艇は “give room ” しなさい。(非権利艇がkeep clearできるように)
アンパイアの旗は、揚がったら最後、いくら文句を言っても戻せませんから。
たとえ間違っていても、です。。。
 
 
 

 
 
 
 
 

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