第19回 もっと簡単!ルール解説追記
 このケース、どっちが悪い?

Posted by mantaro on 2012年2月18日 under 未分類 | Comments are off for this article

前回まで、3回続けてルールの解説をしました。
これに対して、「あと一歩、イメージが頭に入ってこないんだなぁ?」とのご意見を頂きまして、
あぁ、そうか、我々がヨットでルールが必要になるとき、頭に何を描いているだろうか?
と考えるきっかけとなりました。
今回の解説は、そんな話です。
 
 
我々は、ケースが起きたり、相手艇から文句を言われたりすると、つい自分の事を棚に上げて、
「どっちが悪いんだ!」と言いたくなってしまいます。
私など、子供の頃から全然進歩が無く、、今でも、同じコトをやっているような気がします。
「だって、××ちゃんが悪いから、、」って。。。

そんなとき、大人は言います。
 「そぅいうオマエは、どぅなんだ? ちゃんとやってたのか?」
 「だって、、、」
 「だってじゃない!!」
ずいぶんと叱られたものですし、自分に子供ができたら、きっと同じコトを言うでしょう。

ルールブックもそんな感じです。
 「このケースでは、どっちが悪い」
なんて書き方にはなっていないんですね。
 「アナタは、ご自身の義務を果たしましたか?」
  ・果たしていれば、アナタにペナルティはありません。
  ・果たしていなければ、アナタにペナルティを課します。

 「相手のコトは、相手のコト。」
  ・相手艇自身の義務を果たしていれば、相手艇にペナルティはありません。
  ・相手艇自身の義務を果たしていなければ、相手艇にペナルティを課します。
 
 
もし、両艇がそれぞれ義務を果たしていなければ、両艇失格も有り得ます。。。


 
 
ヨットレースは紳士のスポーツですから、みなさん自らルールを犯そうとは思っていないでしょう。
でも、いざケースに巻き込まれたとき、「私は義務を果たしました」と、しっかり説明できますか?
また、自艇の潔白の説明が難しいような、怪しい場面を察知して、事前に回避できていますか?
”君子、危うきに近寄らず” みたいな話。
ルールの理解とは、そういうコトだと思います。

よく、「今日は、No Trouble, No Case でいこう!」と言います。
ヨットレース、特にシリーズレースを制するには、とても重要な言葉だと思います。
しかし、ルールの理解なしに「No Case 」はできません。
ルールを理解して初めて、「No Trouble, No Case 」が本当の意味で実現できるのかと。
ルールの理解とは、そういうコトだと思います。
 
 
「ルールを使って相手を失格にしてやろう」とか、「相手にペナルティを負わせよう」とか、、
そんな事を考えている内は、まだまだ子供です。
これは、マッチレースでも同じコト。
たとえ1/10でも、自らもペナルティとなる可能性があるなら、10回に1回は負けるってコトです。
そんなリスクのある戦い方をするのは、賢明ではありませんね。

しかし、、ヨットレーサーは紳士であり、かつ、大の負けず嫌いの集団です。。。
ケースから逃げてばかりではいられないでしょうし、攻めなければ勝てないコトもあります。
紳士だけど勝ちたい。。。

やむを得ずケースに突入するとき、自艇の義務さえ果たしていれば、
たとえケースで勝てなくとも、絶対に負ける事が無い。
胸を張って自らの潔白を示しつつ、堂々と相手にプレッシャーをかけに行けば良いのです。
まるで武士道とか騎士道みたいなイメージの話になってきました。

でも、これこそが、ルールを学ぶ目的ではないかと思うんです。
   『攻めて尚、No Trouble, No Case 』

自らにルールの心配がなければ、あとは完全にセーリングに集中すればよいのです。
ルールの理解が、結果、スピードアップに繋がるのです。
 
 
先日、聞いた話なのですが、ニュージーランドでは、優秀な若手セーラーには
20代前半~後半くらいの年齢で、積極的にマッチレースを学ばせるのだそうです。
WMRTにも若いスキッパーが次々と現れるのは、そういった理由のようです。

彼らは、マッチレースでルールを徹底的に学び、後にビッグボートのグランプリレーサーへと
成長したときには、ケースで負ける事の極めて少ない、そもそもケースに巻き込まれない、
速くて強い選手になって帰ってくるのではないかと想像します。

マッチレースをやって、性格が悪くなるのかどうかは、判りませんが。。。
 
 

 
 
 
 
 

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